ベトナム駐在小児科医+online MPH留学生のブログ

本格的なモジュールの1つ目が終わりました!!〜ブルーベリーの謎〜

8週間のモジュール(Practicing and Promoting Public Health in a Global Context)がようやく終わりました!

ブログをその間更新できないほど追い込まれていましたが、2回の一時帰国と、家族をベトナムに連れてくるミッションを完遂させながら、なんとか終えることができました!

図:Liverpool市の健康寿命へのthe long and winding road

モジュールは2週間ごと、Unit 1-4に分かれています。それぞれオンデマンドでの講義と、課題図書、group discussion assinment、individual assignmentがあります。各々のassignmentは下記の通りです↓

<Unit 1: Introduction to Public Health>

Group discussion→Liverpool市の日常生活のケーススタディから、公衆衛生に関わる内容についてピックアップして議論する。自分は前述の通り、母子手帳について議論しました。

Individual assignment→Anthropology and Public Health: Bridging Differences in Culture and Societyという本の中の7つのケーススタディの中から1つ選んで、その中に使われている健康モデルについて歴史・文化・社会的な背景と絡めて批判的に議論するものでした。自分はインドでの喘息管理について議論しました。インドでは、喘息と診断されることがスティグマとされているため診断されたがらなかったり、病院や薬のアクセスの問題から診断されたとしても治療を伝統療法に頼ってたりしており、衝撃でした。ベトナムでも地域によっては同じ様な状況なんだろうなぁとこれからの診療を見つめ直すきっかけになりました。

<Unit 2: Global Health Measurement>

Group discussion→SDGsのgoal 3、「すべての人に健康と福祉を」の中の1項目を選び、国ごとでgoalへの到達度を比較する、その際にデータソースについて長所や短所、信頼性や限界について批判的に述べよ、というものでした。5歳未満の子どもの死亡率について自分は論じましたが、いかに国によってデータの信頼度が違うかということが分かりました。特に低所得国では国勢調査などがきちんとなされておらず、欠損値が多く、推測値でそれらを埋めています。ベトナムの農村部では新生児を人としてカウントされておらず、産まれてもすぐ申請されなかったり、新生児のうちに亡くなっても報告されなかったりするという文化的・社会的背景でのデータの限界も多くこの世の中にはありそうです。

Individual assignment→COVID-19について、自分の国と他2つの国のアウトカムを比較し、その際に健康測定の比較の限界と改善方法について述べよというものでした。「新型コロナウイルス感染症による死亡」を比較するときに、検査がどれくらいされたか、その検査の精度がどれくらいか、「新型コロナウイルス感染症による」死亡で本当に良いのか、というのは国によって(地域によても医療機関によっても判断する医療者によっても)違います。なので、主に実際に報告された数値と、超過死亡数という数値を使って検討することが多いのです。超過死亡数はざっくり言うと、その年の実際の死亡数と普段の状態(コロナ禍になる前)から推測した死亡数との差です。こちらの数値も例えば戦争があったり災害があったり、インフルエンザで多く死亡したり、普段と違うことがCOVID-19以外に起きると変わってくるため限界があります。

<Unit 3: Social Determinants of Health and Health Inequalities>

Group discussion→3つの健康格差への介入に関する動画を見て、その介入について、University of Liverpoolの教授であるMargaret Whitehood先生の類型論を使用し批判的に議論するというものでした。

Individual assignment→上の画像にある、Liverpoolの健康格差(イギリスの中でもほとんどすべての健康指標で劣っている)についての介入について調べ、それらについて批判的に議論するものでした。

いずれも、個人ベースの介入(カウンセリングなど)、コミュニティベースの介入、社会・政策レベルの介入をうまく組み合わせていくことが改善への糸口である様です。

<Unit 4: Health improvement, theories and practice – Applying principles for prevention and promotion>

Group discussion→肥満と不平等というWHOの出版した本を読み、その中に記載されている各国の肥満への介入について ecological modelを使って批判的に議論すると言うものでした。

Individual assignment→モジュールの最後の課題として、公衆衛生におけるトピックを一つ選んで、それを自分が選んだセッティングで改善させるための介入・キャンペーン・制作を選んでそれについて批判的に吟味するものでした。自分自身はベトナムにおけるアルコール使用障害について、学校での教育、アルコール使用障害者の自助グループ・施設の設置、そして自家醸造(密造酒)を制限する法律という3点で議論してみました。2000 wordsのレポートであり、とても難渋しましたが、それまで8週間で勉強したことをぶつけたつもりです。さらに750 wordsのモジュール振り返りもあり、こちらも採点されます。

Unit 4の結果はまだ返ってきていませんが、一旦完遂した自分を褒めたいと思います。

このモジュールではブルーベリーの画像が出てきて、何か意味があるのかな?と思いながら進めていたのですが、結局それが何を意図しているのか分かりませんでした・・・。結果が出たらスタッフに聞いてみようかな。

次のモジュールまでは1週間の休みがあります。せっかくなので家族との時間を大事にしようと思います!

それではまた😊

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