家庭でも起きる、怖い電撃症の話!!
電撃症と聞いて、どういったものを思い浮かべますか?運悪く雷に打たれて起きるもの?電気工事の方が送電線に接触して起きるもの?ホームアローン2で泥棒がケビンにやられたもの?これらも全て電撃症ですが、もっと身近に起きてしまうものがあります。
それは、コンセントによるものです。お子様がコンセントにヘアピンや鍵などの金属を差し込んで感電してしまうケースが小児救急外来によく訪れます。金属や指をコンセントに差し込む事故だけでなく、口でコードを加えてしまい口の中がひどい火傷になってしまう例もあります。
日本小児科学会では、Injury Alert (傷害速報)という身近なもので起きている事故を集めて報告・注意喚起をしているサイトがあり、そこでもヘアアイロンの電源コードによる口の中の電撃症や、コンセントに鍵を差し込んだことによる電撃症の報告があります。
コンセントに金属を差し込んだ瞬間に火花が散り、手は火傷します。
手の火傷だけで済むならまだ良いのですが、人間の体では電気は皮膚より筋肉、血管、神経、内臓の方が電気抵抗が低い(=電気が流れやすい)ため不整脈になったり神経や内臓にダメージが残ったりすることがあります。
手の火傷が大したことなくても、不整脈が起きないか、内臓損傷が生じてこないかの観察のために入院が必要なケースもあります。残念ながら死に至るケースもあります。
家庭で使われる電圧は日本では100Vが一般的ですが、これは世界でも低い水準です。世界の電圧はアメリカ型(110~130V)とヨーロッパ型(220~240V)の2種類が主流です。Panasonicのページでさまざまな国の電圧についてのリストがありました。自分が今住んでいるベトナムは220Vです。電圧が高ければ高いほど感電した時のダメージは強くなってしまいますので、海外に住まれている方は更に注意が必要です。一方で、42Vでも死亡例があるため電圧の低めの日本でも気をつけないと死亡事故が起きる可能性があります。
コロナで家庭内にいる時間が増えたからか、電撃症に限らず家庭内の事故が増えている様に感じます。保護者がお子様を注意してずっと見ていることは不可能です。しかし、危険性の高いものを低くする工夫ならあります。
例えば、お子様がいる家庭では、コンセントカバーを付けることを推奨します。クリップやヘアピン、鍵、硬貨などコンセントに入り得る金属製のものはお子様の手の届く範囲に置かない様にしましょう。また、言葉の分かる年齢になったら感電の危険性について繰り返し分かる言葉でお子様に伝えてあげることも大事です。
今回は電撃症についての話でしたが、他にも家の中を含めた身の回りには子どもにとって危険なものでいっぱいです。お子さんが身近なもので事故を起こさないためのグッズをこのページでまとめましたので、こちらも参考にしてみてください。併せてよろしくお願いします。
それではまた⚡️
[…] その他にも、電気ケトルによるやけどの事例や、歯ブラシでのどを刺してしまった事例など、物を変えれば防げた可能性がある事故も多くあります。これらの事例に対して様々な商品メーカーが多くの対策用品を作成しています。以前投稿しました、「家庭でも起きる、怖い電撃症の話!!」でも、家の中で起きるコンセントに関連する電撃症に対してコンセントカバーを推奨するお話をさせていただきました。それ以外にも今売っている多くの子どもの事故予防グッズをここで紹介したいと思います。 […]